2025.08.08
コーディング
ホームページをhttpsにするには?常時SSL化を導入する手順・メリットを解説

ホームページのURLは「http://~」から始まるものもあれば、「https://~」から始まるものもあります。このうち現在推奨されているのは、常時SSL化されている「https://~」から始まるURLです。
そこで今回は、ホームページのURLをhttpsにするために必要な常時SSL化の導入手順やメリットについて解説します。
目次
httpsとは
とhttps(鍵がかかっているイメージ)、もしくはサイトが安全に守られているのとそうでないのがわかる画像-1024x576.jpeg)
まずは「https」の仕組みについて解説します。
そもそも”http”とは「HyperText Transfer Protocol」の略で、ホームページを表示する際に用いられる通信プロトコルのことです。
通信プロトコル
データを送受信するときのルール・手順のこと。
ホームページの情報は、「サーバー」に格納されています。これをWebブラウザで閲覧する場合、サーバーとデータ通信しなければなりません。このときの通信プロトコルが「http」です。
インターネットの利用環境は人によって大きく異なります。たとえばWebブラウザはGoogle Chrome・Microsoft Edgeなどの種類がありますし、OSもWindows・Mac・iOS・Androidなどさまざまです。しかし”http”という共通の通信プロトコルを用いれば、利用環境に関わらずホームページを表示できるのです。
ただし、”http”は暗号化されていないため、通信途上で第三者による情報盗聴・改ざんのリスクがあります。たとえば、”http”で情報をやり取りするECサイトにクレジットカードの情報を入力すると、その情報が通信途上で盗まれてしまう可能性があるのです。
このリスクを解決するのが”https”です。
”https”とは「Hypertext Transfer Protocol Secure」の略で、”SSL(Secure Sockets Layer)”という暗号化通信技術によってセキュリティが高められています。
“https”でやり取りされるのは暗号化された情報であるため、たとえ通信途上で盗まれたとしても、その解読は極めて困難です。
なお、現在はSSLが発展したTLS(Transport Layer Security)という暗号化通信技術が主流です。しかし実務的には、TLSを導入することも「SSL化する」と表現します。
ここまでの技術的な話が難しいという場合は、「httpsのほうが安全」という理解で問題ありません。
独自SSLの種類
SSLには「独自SSL」と「共用SSL」の2種類があります。
独自SSLは、独自ドメインごとに導入するものです。一方で共用SSLは、同じサーバー(共用サーバー)を使っている複数のホームページに導入できるSSLのことを指します。それぞれを導入した場合、ホームページのURLは次のように設定されます。
| 比較項目 | 独自SSL | 共用SSL |
| SSL導入前 | http://example.com | |
| SSL導入後 | https://example.com | https://△△△-〇〇〇server.com/ ※△はユーザーごとに割り振られる文字列 ※実際のURLはサーバー会社ごとに異なる |
共用SSLを導入すると、サーバー会社のドメインにURLが変わってしまいます。一方、独自SSLを導入した場合の変更点は、httpにsが追加されることのみです。
ドメインも企業ブランディングの一つであるため、基本的には独自SSLを導入するといいでしょう。
なお独自SSLは、サイトの正当性を示す「SSLサーバー証明書」を、認証局から発行してもらうと導入できます。この認証方法にも3つの種類があり、それぞれ認証レベルや費用が異なることが特徴です。
| 種類 | 概要 | 認証レベル | 費用相場(年額) |
| ドメイン認証(DV) | ドメイン名が正しいか認証される | 低い | 数千円 |
| 企業認証 (OV) | ドメイン認証に加え、会社が実在しているかも認証される | 中程度 | 数万円 |
| 企業認証拡張型(EV) | ドメイン認証・会社実在認証に加えて、電話での確認も実施される | 高い | 数十万円 |
なお、認証レベルに差があっても、暗号化の強度には違いがありません。そのためほとんどのホームページは、ドメイン認証で独自SSLを導入します。
ホームページを常時SSL化するメリット
ここまで紹介した情報をふまえると、ホームページを常時SSL化するメリットとしては次の4点が挙げられます。
- セキュリティを強化できる
- ホームページ利用者に安心感を与えられる
- ホームページの表示速度が向上する
- SEO対策につながる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
セキュリティを強化できる
通信セキュリティを強化できる点は、常時SSL化最大のメリットだといえます。
顧客からの問い合わせ・決済・ログインなど個人情報を扱う仕組みのあるホームページは、必ず常時SSL化しておきましょう。
悪意のある第三者からの攻撃を完全に防ぐことは難しいですが、SSL化しておけば暗号化された情報しか盗み見られないため、個人情報が流出してしまうリスクを大幅に低減できます。
ホームページ利用者に安心感を与えられる
個人情報を守るための知識が広がり、「SSL化されていないホームページは危険」という認識を持つユーザーも増えています。また、SSL化されていないホームページにアクセスした場合に「保護されていません」と警告を表示するブラウザも多いです。このためSSL化されていないホームページは、不安感からユーザーに離脱されやすいのです。
一方、常時SSL化したホームページなら、ユーザーに安心感を与えられます。問い合わせ・購入などを目的としたホームページの場合、SSL対応は必須です。
ホームページの表示速度が向上する
SSLを導入すると、「HTTP/2」というプロトコルが適用されます。これはWebページの表示速度を向上させるための新しい通信プロトコルで、従来のhttpよりも高速データ通信が可能です。
そのため表示速度が向上することも、常時SSL化のメリットとして挙げられます。ローディング時間によるストレスも離脱原因となるため、コンバージョン率を高めたい場合はSSL化するべきでしょう。
SEO対策につながる
Googleなどの検索エンジンは、SSLに対応しているかどうかもランキング要因として扱っています。
また、ホームページの表示速度もランキング要因であるため、検索結果で上位表示を目指したい場合もSSLに対応しておくのがおすすめです。
ホームページをhttpsにする方法

ホームページに独自SSLを導入してhttpsにする方法としては、次の2通りが考えられます。
- 自社で設定する
- コーディング業者に依頼する
それぞれのメリット・デメリットについて比較してみましょう。
自社で設定する
もし社内に技術者がいれば、自社でSSLを設定することも可能です。また、利用しているサーバーによっては、簡単に常時SSLを導入できる仕組みが用意されていることもあります。社内で対応できれば、コストはSSL認証に伴う実費のみです。
ただしWebに詳しい担当者がいる場合を除き、自社設定には不安が残ります。設定ミスや更新忘れによって、ホームページが正しく表示されなくなる可能性もあるためです。
コーディング業者に依頼する
自社でのSSL対応に自信がない場合は、コーディング業者に相談してみてください。
コーディング業者にはコーダーだけではなくWebエンジニアが在籍しており、Webページの制作から公開、SSL対応まで一括して依頼できます。もちろん既存ホームページのSSL対応だけ依頼することも可能です。
ホームページを常時SSL化する手順

それでは最後に、ホームページを常時SSL化する手順について見ていきましょう。
- サーバーがhttpsに対応しているか確認
- データのバックアップを取得する
- CSR(証明書署名要求)を作成する
- SSLサーバー証明書を取得する・インストールする
- URLをhttpsに置換する
- httpからhttpsへリダイレクト設定する
- ホームページを目視で確認する
いずれかの工程を難しいと感じた場合は、コーディング業者に依頼してみてください。
1.サーバーがhttpsに対応しているか確認
まずは利用しているサーバーが、httpsに対応しているかどうか確認しましょう。古いレンタルサーバーの中には、httpsに対応していないものもあるためです。
「サーバー名+SSL対応」などと検索するか、レンタルサーバー会社のホームページを確認すれば、対応可否がわかります。
2.データのバックアップを取得する
サーバーがhttpsに対応していたら、SSL化を進めていく前に、ホームページのバックアップを取得しておきましょう。SSL化の作業中に万が一トラブルがあったとしても、元の状態に戻せるようにしておくためです。
なお、バックアップ作業が難しい場合、このタイミングでコーディング業者に相談することをおすすめします。(バックアップしないまま作業を進めると、元の状態に戻せなくなる可能性があるため)
3.CSR(証明書署名要求)を作成する
つづいてCSR(Certificate Signing Request)を作成します。これはSSLサーバーの証明書を取得するために必要なリクエストのことです。
具体的な手順は、利用中のサーバーによって異なります。また、レンタルサーバー会社のマニュアルを読んでも、専門用語が多すぎて理解できないかもしれません。もし手順に不安を感じたら、このタイミングでもコーディング業者に相談してみてください。
4.SSLサーバー証明書を取得する・インストールする
CSRを作成したら、SSLサーバー証明書を取得します。これはホームページへ安全に接続できることを示す電子証明書のことです。
先述したとおりSSLには「共用SSL」と「独自SSL」の2つがありますが、自社の独自ドメインを維持したままSSL対応するためには、独自SSLの証明書を取得してください。
SSLサーバー証明書を取得したら、サーバーにインストールします。(レンタルサーバーによっては、認証局への認証後、自動でインストールされます)
このインストール方法もレンタルサーバー会社によって異なるため、マニュアルを確認してみて、難しく感じるようでしたらコーディング業者に相談するのがおすすめです。
これでホームページのSSL化は完了です。ただしホームページを適切に表示するためには、さらに設定しなければならないことがいくつかあります。
5.URLをhttpsに置換する
ホームページは、HTMLやCSSなどのマークアップ言語で構築されています。このコード内にもURLが用いられていますが、それらは古い”http”のままです。
そのためソースコード内のURLのうち、絶対パスで記載しているリンクのみ、URLをhttpsに置換します。(相対パスやルートパスは置換不要)
ソースコードにおける「パス」
目的のファイルにたどり着くまでの経路のこと。
絶対パス:目的のファイルの場所を全文記述しているもの。httpから書き始める。(https://example.com/img/sample.pngなど)
相対パス:現在のファイルを起点に、目的のファイルまでの経路を記述したもの。ファイルのある場所によって記述方法が異なる。
(../img/sample.pngなど)
ルートパス:絶対パスからドメイン名を省いたもの
(/img/sample.pngなど)
このように、SSLの導入においてはコーディング作業も生じます。そのため全工程をスムーズに進めるためには、最初からコーディング業者に依頼するのがおすすめです。
6.httpからhttpsへリダイレクト設定する
httpからhttpsへのリダイレクトも設定しておきましょう。リダイレクトとは、ブラウザで開いたURLを、別のURLに転送することです。
もしSSL導入後にリダイレクト設定をしないと、たとえばブックマークから古いURL(httpのURL)にアクセスしたユーザーにはホームページが表示されません。また、古いURL宛てのリンクも無効になってしまいます。
リダイレクト設定をしておけば、古いURLにアクセスしたユーザーも最新のSSL化したホームページに誘導できますし、古いURL宛ての外部リンクも活かせることがポイントです。
また、リダイレクトすることで、http時代のSEO評価をhttpsのURLに引き継げます。
なお、Googleアナリティクス・Googleサーチコンソールなどでアクセス情報を分析している場合は、このタイミングで登録情報をhttpからhttpsへ変更しましょう。
7.ホームページを目視で確認する
最後にホームページを目視で確認します。設定したと思っていても、抜け漏れが生じている可能性もあるためです。
たとえばGoogle ChromeでSSL化されたホームページにアクセスした場合、アドレスバーの左端に警告が表示されず、「この接続は保護されています」と表示されていればSSL化されています。

また、httpsのURLにアクセスし、Googleアナリティクスなどの分析ツールで計測できるか(計測タグが発火するか)どうかも確認しておきましょう。
また、httpのURLにアクセスして意図どおりリダイレクトされるかや、サイト内の画像などがリンク切れ(非表示)になっていないかなども要チェックです。
ホームページの常時SSL化もコーディングアーミーにおまかせ!

出典:コーディングアーミー
ユーザーの個人情報漏洩を防ぐためには、ホームページの常時SSL化が欠かせません。
レンタルサーバー会社によっては手間なくSSL対応できることもありますが、サーバー操作が難しかったり、マニュアルを読んでも専門用語が多すぎて理解できなかったり、自社で対応できないケースもあるでしょう。
もし自社でのSSL対応が難しい場合は、ぜひコーディングアーミーにご相談ください。
既存ホームページのSSL化は25,000円〜で対応しており、サーバー側でのSSL対応はもちろん、リダイレクト設定やソースコードの修正などもワンストップで対応しています。
SSL化にかかる費用はサーバー状況などによっても異なるため、まずはお気軽にお問い合わせください。
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